其は歴史となり、灰燼となり、無に帰す

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春待蜻蛉(SPEED) 感想 05(完結編)

春町蜻蛉(はるまちかげろう)の攻略がようやく完了しました。
普段ならまとめは数行で済ませるとろこですが、今回はちょっと長めにまとめていきたいと思います。
晩秋(10月22日)から始まるシナリオなのに春を待つが如きタイトルなので、
それに合わせてということで(笑)

良かったところ

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まずはシステムの安定性が非常に高かったことが挙げられます。
Windows10でプレイをしていましたが、不正終了したことは一度もありません。
修正パッチをあてた効果があったのでしょう。
なお、修正パッチでどのような不具合が解消されたのか、現バージョンは何かなど色々調べましたが、
一切情報が分かりませんでした(笑)
普通はタイトルバーであるとかメニューの項目であるとかでバージョンを確認できるんですが…
現バージョンが不明なので修正パッチがちゃんと当たってるかどうかすらわからないのですが、
まあ、前述の通りゲームが落ちなかったので…

2番目に濡れ場における描写が意外と質が高かったこと。
まあ、そのせいで前後の日常会話と乖離が発生して違和感バリバリになってるんですけどね(笑)
イメージ的に90年代後半から2000年代初頭あたりのアダルト向けOVA的なテキストを
思い浮かべて頂ければ、本作における描写の雰囲気がおおよそ掴めると思います。

3番目は意外性のある登場キャラの造形。
特に聡子シナリオにのみ登場する"妖狐の繭"などは一目見た瞬間爆笑ものでしょう(笑)。
いや、笑わせる為にデザインしたわけじゃないでしょうけど(笑)

4番目はBGM。前回までの感想中では全く触れていませんでしたが、BGMはそこそこ良いです。
OP画面で流れる曲"タナトゥスの子守唄 ~A lullaby of Tanatos~"や、
ゲーム中のBGM"死せる魂"などは、なかなか良い曲だと思います。
2000年初頭の音源なので若干音質が悪いのが悔やまれるところですね。
…ところで"Tanatos"なのに"タナトゥス"となっているのは何でですか(笑)?

悪かったところ

誤字多過ぎだろ(笑)
いや、ある意味一番楽しんでいた部分でもあるので私にとっては良いポイントなのですが(笑)、
一般的に言えば誤字は非難されるべき点でしょう。
また登場人物の口調の不統一な点や、地の文で脈絡なく3人称視点が入る点も気になりますね。
もちろん私にとって良いポイントなのですが(笑)

次にスキップが遅すぎな点。
今までで10指に入るほど遅いというレベルです。
どうでもいい場所へ移動をしてどうでもいい蘊蓄を輝彦が1人語りするようなテキストなど、
プレイヤーにストレスを与える(と思われる)テキストが多いので、スキップが遅いというのは
致命的な問題点になると思われます。

次にバックログが一部読みにくい点。
感想その01でも少し触れていますが詳述しますと一枚絵の表示時はCG全体を見せる為か、
メッセージウインドウの透明度が上がってウインドウ背後のCGが見えるようになります。
そのウインドウに縁取りもしていない暗灰色のテキストが表示されるのでかなり読みにくいです。
また古いゲームなので仕方ないですが、保持されるバックログの量も少なく感じます。
特にこのゲームはコイツこんなこと言ってたっけ? こんな口調だったっけ? と、
バックログを確認することがよくありますので(笑)、その時に読みたい個所までログを辿れず、
泣く泣くセーブデータをロードしてその個所まで読み進めるということを繰り返す羽目になりました。
スキップが遅いゲームなのでかなり辛かったです(笑)

次にフラグ管理が甘い点。
"gamememo.xls"で書かれていた、部屋に入ったことがあるのに初めてと言ったり、
雫の部屋に入っていないのに読んでない日記について語ったりなどのテキストは、
攻略サイトを見て最適な選択肢を選んだおかげか、今回のプレイでは出てきませんでしたが、
選択肢次第ではそのようなおかしな流れが発生する点はマイナス。
もちろん私にとっては(以下略)

次に松浦さん(笑)
愛シナリオだけ何でそんなに悪役なのか意味が分かりませんね。妖狐の繭という伝奇ネタがあるんだから、
それに取り憑かれて凌辱、みたいなシナリオで十分だと思います。
他のシナリオにおいては行方不明の深雪を見つけたり凍傷で死ぬとろこだった輝彦を見つけたりと、
八面六臂な活躍をしている松浦巡査なだけに、"愛…貴様……"とか言っちゃうのは、ちょっと(笑)
代表的な例として松浦巡査を挙げましたが、
他の登場人物においても不自然な行動を取る場面が多く、感情移入の妨げとなるでしょう。
前述のフラグ管理失敗によるシナリオの不整合も加えて、不思議な春待空間が現出することになります(笑)

まとめのまとめ

システムについてはスキップ以外に致命的な問題はありません。
逆に言うとスキップの遅さは致命的です。

シナリオについては不整合・不自然な点が多いのはマイナスでしょう。
亡き妹の後を追おうとしているという人物の取る行動としては不自然なものが多い輝彦、
ふらっとやってきたような人物・輝彦に対して何故か無警戒な石蕗家の人々、
一週間ぐらいで好感度Maxとなってしまう攻略対象ヒロインたち…
特定のシナリオにおいて凌辱系になったり伝奇系になったりするのも不整合さの印象を強めています。
そこを面白さと捉えられるか否かが評価の分かれ目となるでしょう。
但し、前述の通りスキップが遅いので、プレイにはある程度の忍耐が必要となります。

結論。
まあ、やめとけ(笑)