其は歴史となり、灰燼となり、無に帰す

当サイトは成人向けパソコンゲームソフト、所謂エロゲーについて主に扱っております。関心の無い方や否定的な意見をお持ちの方はご注意下さい。※ネタばれについては基本考慮していませんので、そちらについてもご注意願います。

片恋いの月(すたじお緑茶) 旧レビュー

※本レビューは過去サイトからの転載です

実は隠れすたじお緑茶ファンである私です。新品では1個も買ってないけどね(笑)

システム

基本システムは全て揃っていますね。セーブは手が込んでて、セーブファイルをファイルとして生成しますので
必要十分な量です。またフォルダを生成して階層化も可能です。しかもこのフォルダは仮想フォルダで、
ゲームのロード画面でしかフォルダが見えないという無駄に手が込んだ仕様ですね。
セーブファイルを置くフォルダも任意に指定できたりと至れりつくせりです。

画面は最近の流行なのか、ちょっと横長なヤツです。個人的にはキライなタイプです(笑)。
何故かというと、フルスクリーンにすると上下に縦横比を維持するための非表示部分ができます
(勿論モニタにもよりますが大概のPCモニタならそうなると思われます)。
つまり表示部分が狭くなる上に、ADVだとメッセージウィンドウが出るので余計に手狭に感じてしまいます。
とまあこの辺りが個人的に問題となるわけですが、片恋いの月の場合はメッセージウィンドウが
漫画のフキダシにように小さく表示されますので意外とこの映画風表示形式にマッチしていると感じましたね。

ところでゲーム起動中に解像度を変更すると表示が一部されなくなるんですけど…
え?起動中にそんなもんいじるなって?(笑)

BGM

質・量ともに申し分ない出来だと思います。

ストーリー

時間が大変なことになっちゃう普通の学園モノADV…らしいです(笑)

プレイしてみて…

続きを読む

このゲームは基本的に場所移動のみで進めるADVとなっております。移動先にはヒロインの絵が表示されているので
攻略で詰まることはあまり無い筈。ただ最近の流行なのかメインヒロインが本編で攻略不可となっております。
二人も。…しかもこの二人攻略は2nd Storyとかいう新章が出てきてそこで改めて攻略することになるのですが、
片方を追っ掛けてるとフラグが立って新章に行ける様になったりします。なので、
メインヒロインどっちか一人を放置したままトゥルーエンドまで行けてしまうワケですね。片手落ちというか、
コンプリしてこそゲームの真価が量れるとしている人間にとってはかなり納得の行かない構成ではあります。

さらに少しネタばらししますと、杏子と香津美とどっちをストークしてても香津美追っ掛けシナリオにシフトします!
杏子狙ってたらありえねーコレって勢いではないですかい?(笑)

でも2nd Storyで最初の濡れ場は杏子なんですけど(笑)香津美を追っ掛けて2nd Storyに突入した人は
やりきれない思いを何処へしまっておけばいいのでしょうか(笑)?

ただ画面演出は色々と凝ってますね。アニメーションを使わず立ち絵の拡大縮小・座標の移動のみで
色んな表現をしてます。道の向こうからこっちに向かってくるヒロインとか、
ヴァルハラの怒り(昇竜烈波っぽい)とか(笑)。この辺りは確実に進化していますね。

シナリオについて。

前半部分は本当に素晴らしいです。あまりの素晴らしさに、
時間が大変なことにならない方がいいんじゃないかと思うぐらいに(笑)
登場人物たちが個性的で、杏子関連を除き殆どは日常的な出来事について(部活とか)のイベントなのに
それらが面白く感じられるんですよ。初回プレイはほんとマウスクリックが楽しく感じますね。
次の展開を早く読みたいゼ!みたいな(笑)。でも共通イベントはヒロインのシナリオ毎にもうちょっと変化を
持たせた方がいいんじゃないかと。やはり3~4人目になると食傷感が否めません。
前半が食傷気味で後半はなんかいきなり過去に飛んだりSFっぽい展開で置いてけ掘となると、
否定的な見方をされても仕方がないんじゃないでしょうかねぇ…

個別シナリオについて。杏奈シナリオ。

なんかいきなりウーーーラーーー!!とか叫んだり熱血な展開に流れたりするのは気になりますが、そ
れ以外では基本的に部活の先輩によく懐いている可愛らしい後輩というスタンスで推移していきます。
中盤以降では義姉の杏子と主人公の仲を巡って喧嘩したりすれ違ったりしてしまいます。
正直ベタベタですが展開としてはこれしかありませんでしょうし、まあいいんじゃないでしょうか。

渚シナリオ。

男友達なスタンス→異性としてお互い意識し出す系のシナリオですが。悪くはないというか結構面白かったですよ。
ただ渚は主人公の過去の出来事と密接な関係がありますのでその辺りをもっと詳らかにして頂けると
さらに良かったかな、と。「Hなの、禁止!!」とか言うのは某まほろさんみたいで良かったです(笑)

後半について文句を付けたい所が二つ。まず、主人公と渚が数百年昔にタイムスリップした時、
追っ掛けてきたお侍さんを主人公が刺殺してしまうんですが、
刺した感触を詳細に記述したりしてコレは一生モノのトラウマになるぜ!!な雰囲気を
醸し出しつつも 渚に慰められ、2、3日後にはもう立ち直っちゃったりします。

いくらなんでも不自然な気がするんですけれども(笑)

あと、もう1点はなぜ主人公は渚のヤキモチで斬り殺されかけるんですか(笑)?正に命懸けの恋なのです。
…普通の学園モノの筈なんですが(笑)

月理シナリオ。

…貴方を殺します…………痕(笑)!? いや口調も状況も違ってますけど。
あ、でも主人公がそれを甘んじて受け入れようとするのは同じですね(笑)

香津美&杏子シナリオ。

ってか共通シナリオ部分が実は殆どこの二人関連のイベントだったりするんですけど(笑)。
杏奈や渚や月理とかを狙っている時は非常に主人公の心情が理解し難いモノになって参ります(笑)。
香津美&杏子+αで三股かよ!

まあ、それはともかくとして、主人公を巡る香津美と杏子の戦いはなかなかいいんじゃないですか。
杏子が序盤そこまで主人公にアタックする理由はイマイチ良く分かりませんが、
そんなことはとやかく言うのは野暮ってモンです。
真にとやかく言わなければならないのは後半の時関連イベントなのですから(笑)
…具体的には書きませんが(細かいしネタバレになるし)、 この関連のイベントを挿入せずに普通の学園物で
済ましてしまったほうが よっぽどいいものが出来てしまったりしたような気がするのは私だけですか?

それはこの作品の否定という気もしなくはないですが(笑)、必然性が感じられないっすねー…
時間が大変なことになっちゃうのはともかく、その解決を一介の学生達が請け負うってのはねぇ…
キミたちは選ばれた人間達だ!思想が強すぎるんではないかと(笑)

まとめ。

初回プレイ時、時関連イベントに遭遇するまで⇒名作
時イベント遭遇して初回クリア⇒…?ま、まあいいんじゃないの?
以降⇒は~ふぅ~(ぽっと緒方風に)
時関連を含むイベント構成以外には満点をあげたいです(笑) いや、でも本当に次回作は期待してますよ。
次こそは新品で買います(多分) シナリオに変な要素を加えてなければね(笑)

07/8/23更新