※本レビューは過去サイトからの転載です
大分中古の値段の方も下がって参りましたので、買ってもいいかな、と。
システム
主人公以外フルボイス、主人公も一部ボイスあり。CGモード・シーン回想あり。バックログあり。
まあこの辺りはNavelっぽくキチッと作られてますね。ただ本編のゲームでの挙動が若干おかしい部分があり。
特にプレイに影響はないんですが…
BGM
SHUFFLLE!!同様音楽については流石にクオリティ高いですね。
ストーリー
一言で言うと、SHUFFLE!!ビフォー・アフター~芙蓉楓編~ですね。ビフォーの方が比重重めです。
(ゲームの内容からしてそれは当然ですが)
プレイしてみて…
…おかしい、Navelのゲームなのに普通に面白いんですけど(笑)?
SHUFFLE!!での内容のアレさからゲーム本編は多分微妙だろうと踏んでいたんですが、意外や意外、
かなり楽しめるゲームに仕上がっているではないですか!
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さて、このゲーム普通のADVとは違い、やや特殊なシステムを採用してます。
魔法実験の失敗によって改竄された楓の記憶を修復するというのが大筋となりますが、その方法というのが
楓の精神世界にダイヴし、その中の記憶を疑似体験して改竄された記憶と本当の記憶の齟齬を探す、
と言葉で説明すると非常に質難しい感じになってしまいますね(笑)
具体例を交えて説明しますと、楓の中の改竄された記憶をADV形式でテキストを読み進めていくと
記憶を復元するためのキーワード(例えば緑葉樹=稟の男友達など)が入手できます。
ADV場面で特定のテキストの部分まで読み進めますと、事実とは異なる組替えられた記憶に関するテキストが
出てきます。ここで前述のキーワードを適宜選んで記憶を是正していく、という形ですね。
キーワードを間違えまくるとゲームオーバーになり、バッドエンド(CGあり)。
若干難易度は高いかもしれませんが、セーブ&ロードで総当りしていけば問題なくクリアできると思います。
シナリオについて。
基本的にはSHUFFLE!!の路線を継承してさらに進化したスラップスティックとシリアス折衷なシナリオですが、
SHUFFLE!!と違い素材がキチンと料理されています。これは驚きでした(笑)
(PS2版オリジナルキャラのツボミは1回しか出てきませんが)。
加えてギャグの部分では危険な版権ネタのオンパレード。
例えば前述の”キーワードを適宜選んだ”時に画面エフェクトがあるんですが、
某逆転する裁判みたいに指さしながら「リアリー!!」とか叫んだりしてくれます。
最初にコレを見た時のインパクトはかなりのものですよ。はっちゃけ過ぎ(笑)
他にも色々版権ネタが転がっていますので、自分のオタ度がどの程度かを測る試金石にもなりますな(笑)
他の部分はどうかと言いますと、そんなに悪くはないですね。記憶世界の遍歴、という設定を生かして
重要な(面白い)所だけピックアップしてお届け、さらに主人公視点+楓視点のバーティカル・フェイズ(笑)で
2度美味しい。正にビリ〇ズ・ブートキャンプ(ツイスト!ツイスト!)で贅肉を削ぎ落としたような
スタイリッシュなシナリオ展開は貴方の心を捉えて放しません。特に楓と稟の確執とその解消の場面など、
白熱の展開ですね。 SHUFFLE!!で描くべき場面だったんじゃないかという疑念はこの際無視です(笑)
(SHUFFLE!!でこの辺りをしっかり描写し且つ他キャラのシナリオにも同様の厚みがあれば凄まじい名作に
なったんでしょうが…今更言っても後の茉莉)。
2023/09再アップ時に追記
※バーティカル・フェイズ:神っている迷作・Silent Halfのゲームシステム名。
ゲーム開始時に主人公視点のみのホリゾンタル・フェイズとヒロイン視点ありのバーティカル・フェイズの
どちらか2フェイズを選択してゲームが展開される。なお、ホリゾンタル・フェイズのみで展開されるシナリオは
存在しないので、ホリゾンタル・フェイズを選択する意味は全くないのだが、
ゲームのモード選択からして悪意のある難易度の高いゲームであることが見て取れよう(笑)
しかし、楓を除く前作のメインヒロインではプリムラと亜沙先輩はしっかりと濡れ場があるのにも関わらず
リシアンサスとネリネには濡れ場が一切ありません。贅肉どころか必要な部分まで
削ぎ落としてしまったのでしょうか?若しくはあまり人気が無かったのか(笑)、
Tick!Tack!を買わせたいのか(笑)?正直SHUFFLE!!のシナリオはお二方とも微妙でしたしね(笑)。
それにしても撫子先生より扱いが悪いというのは余りにもおいたわしいですな(笑)
ただシナリオの配置は絶妙なものを感じましたね。楓の記憶世界のイベント群を時系列順に整理すると、
1.楓と稟との出会い→2.楓と稟、確執の時代→3.確執の解消→4.解消その後→5.バ-ベナ学園入学頃→
6.SHUFFLE!!本編エンディング頃
な感じですが、そのまま順繰りに進むのではなく、5→2→4→1→2→4→5→6→3→・・・・・・のように時系列を
行ったり来たりすることで、単調さを解消しています。
また、改竄された記憶が修正されればそれ以降の記憶も全て修正されるため(例えば、3.で確執が
解消出来なかった、という風に記憶が改竄されていれば当然4.以降は有り得ません)、
修正前のものとはまた別の物語のように楽しむことができます。
そんでもって記憶修正前なのに修正後の立ち絵CGが出現したりするのもまた楽しいですね(笑)。
SHUFFLE!!をプレイしていればさらにSHUFFLE!!との齟齬を見つけてニヤニヤできたりします(笑)。
SHUFFLE!!も同時にインストールしておきませう(笑)
まあ全体を通して見ると若干齟齬や不自然な点は見受けられますが、許容範囲内じゃないでしょうか。
ある意味ネタゲー、バカゲーな気もしますし(笑)
まとめ。
SHUFFLE!!という産みの苦しみを体験した者であればこのエル・ドラドに辿り着くことが出来るでしょう(笑)
若干の解説は入るものの、やはりSHUFFLE!!本編はプレイしておいた方がいいです。
Tick!Tack!は多分やらなくて大丈夫(笑)実際私はやってませんし魔王とネリネとセージさんは脇役だし(笑)
さて次回作はリシアンサスが未来にでも飛ぶんでしょうか(笑)?
蛇足。
Nerine(ネリネぢゃないよ)の濡れ場を所望致します(笑)
07/6/11更新